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シネマ・ド・オルフェ

大学生の頃、京都の出町に住んでいました。
夜になると京大の西部講堂でシネマ・ド・オルフェの上映会があり、足しげく通いました。
ここで上映される映画は、一般では見ることのできない実験映画や古いフィルムなどで、それまで全く知らなかった映像表現の勉強ができ、貴重な体験となりました。
ダリとブニュエルの「アンダルシアの犬」をはじめ、メリエス、ドイツ表現主義、バタイユやベルメール、日本の実験映画の名作等々もうすっかりシュールな世界に酔っ払い、アンダーグラウンドな芸術を求めて日々漁りに出かけ・・・(当時奢灞都館のバイロス事件なんかも若者には刺激がありました。)これが迎え酒となり、デビット・リンチでくだを巻いたわけです。(デビットって名前カルトな方多いですね。)
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当時('82年頃)、デビット・クローネンバーグ先生の「スキャナーズ」と、リンチ先生の「イレイザーヘッド」が京極の映画館で併映されていました。特撮がSFXと呼ばれ始めてブームとなり、念力で頭を爆発させる「スキャナーズ」を興味津々で観に行ったのです。ところが予備知識もなく抱き合わせの方をみた為に、トラウマ級のショックを受け、何度も通い全部覚えてかえって絵コンテを書き起こしました。今にして思えば、よくイレイザーヘッドが一般の映画館でかかったものだと思います。
「何やこれ?わからへん。」とざわめくお客さんの反応に、聞き耳を立てていたことを覚えています。この頃はロードショーでも「E・T」や「ブレードランナー」「THE THING」「スタトレ2」「ジェダイの復讐」「レイダース」と豊作が続きました。メビウス・ジャン・ジローやギーガーそして外苑前のギャルリーワタリでウィトキンの作品との出会ったのもこの頃です。

by seikouzan | 2009-02-17 05:38 | 映画と舞台